会長挨拶

公益社団法人 東京社会福祉士会
代表理事・会長 大輪 典子

超高齢化の進むわが国にあって、東京ではかつて経験したことの無いほど急速な高齢化が進行中です。2010年には2割(約273万人)、2035年には3割(約390万人)が高齢者になると見込まれています。全国から若者が集まって来ても、それをはるかに上回るスピードで、高齢期に達する住民が増えているのです。特にひとり暮らしの高齢者が急増しています。

東京はわが国の首都として、また国際的な経済拠点として、たくさんの人が集まり、物やお金が集まって来ました。仕事や住まいの選択肢が広がり、家事機能が次々にサービス化され、人と人の紐帯が緩やかになり、文字通り「都市化」してきました。豊かさや便利さの一方で、貧困や社会的孤立という負の側面も増大し、都市部ならではの福祉課題が構成されてきました。今、その東京が高齢化や複雑化の過程にあるのではないでしょうか。虐待、孤立死、自殺、貧困などのリスクは、さらに増していくものと考えられます。その他、東京の社会的な特徴として、外国籍の方の支援、犯罪被害者支援、刑余者支援などや、DV、ニート、ひきこもり等の問題も依然深刻です。

私たち社会福祉士は、こうした情勢に必要不可欠なプロフェッショナルとして、さまざまの分野・領域において職能を発揮していかなくてはなりません。国際ソーシャルワーカー連盟の「ソーシャルワークの定義」(2000年7月)において謳われているように、「人間の福利(ウェルビーイング)の増進を目指して、社会の変革を進め、人間関係における問題解決を図り、人々のエンパワーメントと解放を促していく」のでなくてはいけません。そのために、社会福祉士の地位の向上と働く場の拡大のために尽力したいと考えます。

東京社会福祉士会では、社会福祉士として必要な専門的知識や技能が研鑽できるように体系的な研修を開催し、顔の見える横断的なネットワークが築けるような交流の機会を設けています。また、低所得者支援、福祉サービスの第三者評価、安心電話相談サービス、成年後見にかかる受任・相談業務など、社会福祉士の職能が求められる分野において、事業を担っています。

本会は、2013年4月1日に、公益社団法人として新たにスタートいたしました。公益社団法人は、都民にとっては第二の行政でもあります。東京の福祉課題に的確に対応できるよう組織運営を強化し、生涯研修を拡充してまいります。会員からの声に耳を傾け、各センターと委員会、地区会、そして理事会と事務局が一丸となって、公益社団法人としての新たなミッションと礎を一緒につくっていけるように努めて参ります。

「社会福祉士が、是非必要」という声が、本会に届くように頑張っていきたいと思います。どうか、皆様のお力添えをお願いいたします。