会長挨拶
2023年6月30日
公益社団法人東京社会福祉士会
岡野 範子
このたび、第11回定時総会で会長に選任されました岡野範子です。2年間の任期となりますが、新堀季之前会長からバトンを受け継ぎ、精一杯務めて参りたいと思います。
1993年2月20日の設立時には66人だった本会の会員数は、設立30年を経過した今、4,294名(2023年6月30日現在)となりました。会員は、社会福祉士が必置とされる地域包括支援センターをはじめ、各種福祉施設・福祉事業所、行政、社会福祉協議会などの相談援助職、さらには独立型社会福祉士、専門職後見人、スクールソーシャルワーカー、刑事司法福祉ソーシャルワーカーなど、様々な領域で活躍しています。
社会福祉士は、人々の生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、さまざまな構造に働きかけをするソーシャルワークの専門職です。
2020年の社会福祉法改正では、地域共生社会の実現に向けて、専門職による対人支援アプローチや伴走型支援の実践が重視され、参議院厚生労働委員会は、この法改正の重要事業である重層的支援体制整備事業の実施に当たっての社会福祉士の活用を付帯決議しました。
2022年3月に閣議決定した「第二期成年後見利用促進計画」には、権利擁護支援の総合的な充実と制度の運用改善、地域連携ネットワーク構築や意思決定支援の推進等において、社会福祉士を含む専門職後見人・専門職団体が多くの役割を担うことが記されています。
また、2022年6月の児童福祉法改正により創設が決定した、「こども家庭ソーシャルワーカー」の資格取得においては、資格取得ルートの対象の1つに社会福祉士が位置づけられたところです。養成の分野では、多様なニーズに対応できる確かな実践力を習得するために教育内容の見直しが図られ、2024年度からは新カリキュラムに対応した国家試験の実施が始まります。
このように現在、私たち社会福祉士の専門性の需要は年々増加し、多くの制度や領域において、重要な役割を担う専門職として位置づけられるようになりました。
本会は会員組織であり、公益を目的とする団体です。私たちは、「豊かな地域生活の実現のため、責任と誇りを持ちながら、ソーシャルワーク実践を通じてより添い、ともに悩み、育み、創り出すこと」を、法人理念としています。会員一人ひとりの力を結集し、実践力に基づいた調査研究や提言活動を通じて、職能団体の責務を果たすことを目指します。
そして会員は、協同して研修や各種事業を企画・運営し、互いに学び合うことを通じて自己研鑽に努め、各々のフィールドにおいては、倫理綱領・行動規範の遵守により高い職業倫理を保持しながら、活動を通じて培った力を実践に活かしています。
私も会長として、会員と共に本会が目指す方向性や想いを胸に刻み、魅力ある職能団体の運営を進めていけるよう、また、多くの有資格の方々に参加していただけるような組織づくりを微力ながら牽引し、実行してまいりたいと思っております。
ご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。